ブルージャイアントのはなし

9冊も出ているので完全に今更感溢れるが、

漫画「ブルージャイアント」が猛烈に熱い。

もう何度泣いたか分からんくらい心を揺さぶられた。

作者は石塚真一先生。もともと「岳」という山岳救助隊にまつわる

これまた感動系山岳漫画を描いていた人だ。

物語は、高校生の主人公、宮本大がある日ライブで観たジャズの魅力に目覚め、

世界一のサックス奏者をめざすところから始まる。

毎日毎日、雨の日も風の日も河原でサックスの練習に勤しむ姿や、

田舎の高校で同世代からの理解をほとんど得られない状態にも関わらず

目標に向かってガムシャラに努力するシーンの連続に、

おっさんの涙腺はいとも簡単に崩壊するのである。

さらには主人公のめざす将来像に対する親・周囲にいる大人の理解力。

ここも羨ましいやら心温まるやらで、やっぱり泣ける要素として成立している。

「岳」の時もそうだが、作者は瞬発力のある泣かせ方を心得ている。

発作的に感動しちゃうというか、一話一話、何かしら読者の心に突き刺すのがとても上手だ。

ストーリーの構成に関しても秀逸で、巻末には

”主人公と関わった人たちが、何年後かにビッグになったであろう

主人公との思い出をインタビューっぽく話す"

という後日談的なものを必ず入れてくる。

これにより、読者としては"ああ、ちゃんと夢が叶ったんだ"と安心して読めるうえに、

まるで映画を観ているかのような演出で、一冊一冊の読後感がとても心地よいものに

仕上がっているという部分にも注目してほしい。

何度読んでも同じポイントで大号泣できるという意味では、

歴史漫画の金字塔キングダムにも通じるところがあるブルージャイアント。

登場人物の強い意志から、確かな音圧を感じることができる。本当に素敵な漫画だと思う。

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