シン・ゴジラを観る前に

庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」が映画館で空前のヒットを飛ばしている。

物語は政治色強めの展開で、国VSゴジラのやりとりをとてもリアルに描写していた。



ただ、内容はとても素晴らしいものであるのだが、この映画には作品しての楽しみ方とは別に、

もうひとつの鑑賞方法が潜んでいるのだ。

その答えは、庵野監督が過ごした学生時代にある。

島本和彦原作「アオイホノオ」。

1980年代初頭の大学生時代。島本先生(恐らく)本人が主人公という目線で、

のちに有名となる数々のクリエイターに出会いながら、才能の壁にぶち当たり

挫折を繰り返すという笑いと涙なしには語れない青春ドラマだ。

その8割ノンフィクションで描かれる作中に、庵野秀明の若かりし頃が

これでもか!という頻度で登場するのだ。

詳しくは省くが、学生時代からアニメーションを自主制作し、

特撮が大好きだった庵野監督をアオイホノオで知っていると、

大人になってシン・ゴジラで東映から総指揮を任された事実や

学生時代には成し得なかった登場人物の多さ、多額の予算、細かい設定に

子どもの成長を楽しむ親のような目線、もしくは近くでライバルとして過ごした

島本先生のような気持ちで鑑賞することができる。

つまりアオイホノオに触れることで、作り手の成長・野望を

肌で感じ取れるようになり、ゴジラ本編とは別の部分でも

味わい深いものになるという現象が起きるのだ。

むしろ個人的にはアオイホノオを見てから映画館に足を運ぶことを強く進める。

私は勝手にシン・ゴジラの前日譚?がアオイホノオだと解釈しているくらいだ。

作者全然違うし、内容関係ないけど。

アオイホノオは現在、漫画では15巻、ドラマはディスクBOXとしてまとめられている。

どちらもびっくりするほどの出来栄えで、何度見直しても笑えるし泣ける。

墓まで持って行きたい、我が家の家宝のひとつである。

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